株式会社サイダス:高橋 和夫 bantoプロジェクトチーム 統括責任者

11月
17 Sun 2019
Level up!

沖縄の経済に本気で貢献したい

今回のゲストは株式会社サイダスbantoプロジェクトチームの統括責任者である高橋和夫さんに来ていただいております。今日のテーマは、スタートアップという形でちょっといろいろお伺いしたいなと思います。まずは自己紹介をお願いします。

高橋:僕は福岡県生まれで、2018年の5月に僕も嫁さんも好きだった沖縄に移住をしてきました。移住して1年半ぐらいですかね。株式会社サイダスっていう沖縄を本社にしているIT系の企業で、自社サービスを作っています。サイダス自体もベンチャーの企業なんですけど、その中でさらに社内スタートアップみたいな感じで新しいプロダクトサービスをを作っていて、100%沖縄のメンバーだけで作っています。結構そこにも最初からこだわりがあって、作るならやっぱり沖縄のメンバーの人たちと。社員だけじゃなくて、外部の委託の人も沖縄の方と一緒に作っていきたいと思っていたので、NO MARKさんにサイト制作をお願いしたんです。

繋いでいただいてありがとうございます(笑)
サイダスさんって、本社を沖縄に置いていますよね。結構県外IT系の企業さんは、沖縄支社を作ったりと、いわゆるニアショアに近いような形で、東京でとってきた仕事を沖縄で生成していこうというスタイルが王道かなっていう印象があるんですけど、そういった所とはまたちょっと違っていますよね。

高橋:そうですね。地域だったり、沖縄の経済に本気で貢献したいと思っているし、それが実際形となって本社を沖縄へ移したり、沖縄で14〜5人新卒採用をしています。新卒の給与も東京と同じ基準です。沖縄っていう基準で新卒の給与を下げるとかそういうのもないです。ちゃんと思いを本当に具現化しているので、その想いを「banto(※下記に詳細)」でも引き継いで、沖縄で作っていきたいなという思いがあるんです。

実際に具現化していくっていうのがいいですよね。また、会社がすごいおしゃれですよね。
この環境で、生活水準が保証されていると、やっぱり働きやすいんだろうなと思います。また、いい意味でのプレッシャーもあるんでしょうね。沖縄ににいながらそれが体感できるっていうのは働く側からしても、すごくありがたい環境なんだろうなと感じますね。

高橋:やっぱり若い子にとっても、「あのオフィスで働いているんだ」って言いたい環境になっていて、そういうところも大事にしています。

新しい土地で、新しい自分に出会える期待

そんなサイダスで働かれている高橋さんなんですけども、移住に関してはどういった経緯で沖縄を選ばれたんですか。

高橋:はい。もともと僕も嫁さんも、海のあるところで生まれ育っていて、二人の原風景には海があり、いつか海の近くに住みたいなと思っていました。結婚して間もない頃に旅行で沖縄に来た時に、やっぱり沖縄っていいなぁと思って、冗談で「沖縄で仕事できて、生活できたらいいよね。」みたいな話をしてたら、その翌年まさか本当に移住をしてくることになったんです(笑)もともと、東京でずっと働いていて、 GMOインターネットグループっていうベンチャーのど真ん中で働いてました。まぁちょっと少し東京が長かったので、ちょっと東京に疲れてきたなぁと思ってきたところで、色々あって、8年ぐらいお世話になったGMO を辞めて、サイダスにジョインすることになりました。サイダスの本社が沖縄ということだったので、社長面接で、まだ入社が決まっていないのに、「沖縄移住してもいいですか」って言ったら、社長が「いいよ!」って言ってくれて(笑)そういった経緯があり、サイダスの入社が決まってポンポンポンと数ヶ月ぐらいで沖縄に移住してきました。

移住する話になると、必ず止めてくる人も出てくるもので、「いかに君の移住が失敗するか」みたいなことをいってくる先輩とかもいたんですよ(笑)でも、失敗してもいいやと思って。ダメだったらまた東京また戻ってこればいいんだぐらいの気持ちで、生活する場所を変えてもいいんじゃないかなと。ちょっと軽いノリっていうか、ある意味あまり追い込まずに移住をしてきたっていう感じです。

いろんな場所で生活をしてたというお話を伺ったんですけど、イタリアにもお住まいだったんですね。

高橋:イタリアには大学卒業して 、1年半か2年くらいいました。23〜24歳の時ですね。
イタリアに行く前の経緯から話していくと、高校卒業して東京の美術大学に行って勉強していたんです。美大に行って、クリエイティビティ溢れる人たちに囲まれて暮らしていると、どんどん意識が高くなっていって、「俺もなんか違うことしなきゃな」とか「もっと自分の好きなこと追求しなきゃ」という考えになってくるんですね。もともと服とかのファッションの方面が好きで、その中でも特に靴が好きだったので、ちょっと靴のデザインやりたいなあと思って。でもデザインする上で靴の構造を知らないとデザインできないので、じゃあまずは靴職人になってみようと思って、靴の本場のイタリアに行きました。

それまでイタリアに一回も行ったことがなかったので、イタリアも想像でしかなくて。本で書いてあったし、こういうところだろうと(笑)イタリアに住んでいる自分をイメージしながら、1年ぐらい図書館で毎日勉強したり、あと当時出たばっかりの iPod にイタリア語会話を入れて勉強して行きました。向こうでは、アントニオっていうレオンに出てくるようなおじさんとフィレンツェに住んでたんですけど、街が世界遺産になっていて新築アパートが建てられないので、建物自体が古くて、家賃や光熱費も高いので基本的にはルームシェアをするっていうのがスタンダードな住み方になっているんです。(これまでと)違う場所に住むと、文化や言葉、食べ物など、今までの古い考え方をアップデートする必要があって、そうやって現地の人たちのコミュニティにいれてもらったり、友達をつくったりっていうことを、若い頃に学べたのは結構大きかったなと思っています。やっぱり日本人はもともとシャイだったり、あまり外の環境に足を踏み出せる人って少なかったりするので、留学しにきている人でも日本人同士で固まっていたり、結局日本のコミュニティに入っちゃう人が多いんですけど、思い切ってイタリア人と住んでみたりするっていうのが大事だな思います。そういうことを経験すると、自分自身もレベルアップ出来たなということもあったので、なので、沖縄に住むと、またさらに違う自分になれる期待もありましたね。

じゃあもうそういう新しい環境だとか新しいことへの挑戦みたいなそんなに苦手というわけではないんですね。

高橋:そうですね。いつからそういう風な性格になったのかはわからないですけど、
結構他人からはそういう風な評価されますね。
「パッと行動する」チャレンジは好きかもしれない。

現代版の番頭さん「banto」

高橋:目標って、みんなに言ったほうが目標の達成率が上がると言われていて、アメリカの調査で、ダイエットの際に、誰にも言わずに目標値を掲げてダイエットした場合と、友達に毎週目標値と進捗をシェアし合った場合。調査結果では、43%以上目標達成率に変化が起きてくるらしいんです。

なるほど。目標を周知してやっていくっていうことも大事なんですね。しかしモチベーションには波があるので、やっぱり日々の進捗管理って難しいと思うんですね。そこにうってつけな良いツールがあるとお聞きしたのですが。

高橋:そうですね、あります!(笑)弊社の「banto(バントウ)」というサービスです。まずは名前の「banto」は、昔、江戸時代に番頭さんっていう商家に役割を担った人がいまして、商家のナンバー2の存在だったんですけど、この番頭さん、人も育てるし、事業も回すし、組織を司るような人で。いわゆる丁稚奉公みたいな形で奉公に来ているで丁稚さん(※1)や手代(※2)が育つように制度をつくったり、お金の工面管理をしたりしていました。現代で置き換えると、手代がマネージャ、丁稚が新卒と言ったところでしょうか。そういう制度がしっかりあったので、江戸は非常に経済的にも潤っていたという仮説があるんですね。
現在の日本に足りないのって、番頭さん的な役割なんじゃないかなと思って、しかもその番頭さんがテクノロジーを搭載して今の現代に戻ってきたら、もう最高なんじゃないかと考え、「banto」を作りました。
「banto」が何をしてくれるのかといいますと、みなさんが仕事する上で、目標を掲げていると思います。だいたいの会社で売り上げ目標とかがあり、それに対してメンバーに振られてメンバーはあのそれに向かって仕事をするっていうケースがあると思います。これは目標管理と言われるんですけど、この目標管理は社員さんから嫌われているんです。なぜ嫌われているかと言うと、例えば、「目標を掲げました。売上1億円いきます。で、未達成だった。お前評価C な。」目標に対しての結果で(人の)評価をされてしまうので、目標管理と言いながら人事評価のために使われがちなんです。
人ってやっぱり評価されるのが嫌いなので、結構日本の中では忌み嫌われる存在だったのが目標管理だったんです。

高橋:今、アメリカとかベンチャーの中で出てきている新しい目標管理の仕組みがあり「OKR」(※3)というものなんですが、 Google や facebook 、日本だとメルカリや日経新聞が導入して成功事例とかが出てきています。今までその社員に嫌われていた目標管理をもっとワクワクするようなものに変えていこうじゃないかとっていうのが元々趣旨にあります。ダイレクトに人事評価に関係するような目標管理のフレームワークになっていなくて、今までの目標管理は、個人が主語だったんですけどチームで目標達成しようよ。その目標もなんとか頑張って達成できるような目標にチャレンジして行こうよ。っていうのがコンセプトにあります。

今までの(目標管理の)やり方と違う点が、チームでやるということ。みんなの目標をみんなでシェアし合いながら、進捗や困っていることをシェアしていって、成果も全部公開していく。今までは上司と部下のやりとりだけだったものを、横や斜め上、斜め下とのやりとりを作ることで、シナジーを生み出し、今までなかったような力を発揮していくっていうのが考え方にあるんです。

「banto」は毎日簡単にSNSを使うような感じで、会社の中で使えるツールになっていて、例えば違う部署の人が困っていることをシェアした時に、「僕この情報知ってますよ」と教えてくれたり、「じゃあ一緒に何か勉強会やろうか」という流れが、実際に弊社(サイダス)の中でも起きてたりするんですね。それは場所の関係なく、東京と沖縄間で生まれたりすることもあります。

上司と部下の一対一の関係性だけじゃなくて、いろんな関係性や見方、手段があることがいいですよね。どこかで困ってたら、部署間関係なくヘルプが出せたりする。チームとして戦っている。個人が自立していないと自主的に動けないと思うので、これは一人一人のレベルアップにもつながるものなのかなと思いますね。OKRの、目標に「ワクワクする」とか「挑戦や魅力」といった定義が何より面白そうですよね。その目標に共感できると、自分が何の役割の為にいるのか、どういった力が出せるとかいうのが見えてくるのかなと思いますね。今、OKRの導入を検討されている企業は多いんですか?

高橋:日本だと2016-17年ぐらいから浸透しはじめてきて、今年に入ってOKRを導入したいという相談が急激に増えました。IT企業が多いんですけど、飲食業界や製造業からもお声かけいただいています。少し停滞している組織を改革するために導入したいという会社が非常に多いですね。

「banto」のシステムの中身を簡単にお話しすると、「 LINE」とか皆さん普段使われていると思うんですね。こういったチャットツールって、今ビジネスの中にもどんどん普及していて、総務省のサイトにも「生産性向上の為に、日本の企業はもっとチャットツール入れなさい」と書かれていたりするんですね。日本は圧倒的にその辺の導入率が低い。アメリカのツールで「Slack」という高機能なコミュニケーションツールがあるんですけど、この 「Slack」が今日本の中で導入がどんどん進んでいて、メールじゃなく、この「Slack」のチャットツールがビジネスの中心になってきています。「banto」は、このチャットと連携させて使います。チャットの中でbanto君っていうチャットbotが、例えば、赤嶺さんが仕事が終わる夕方の6時頃に「ピコン」と携帯にメッセージを送ります。「赤嶺さん、お疲れ様。今日の売上の進捗はどんな感じですか?良かったことは?困ったことは?」今までだったら上司が聞いていたことを、毎日自動的に全社員に向けてbotが聞いてくれます。そして、赤嶺さんが答えた内容がインターネット上でデータとして流れ、チームメンバーみんなでSNSを使うような感じで、確認したりシェアしたりコメントしたりすることが出来ます。

社員の数がが多いところだと、上司1人で何人も部下を見てると、一人一人に声をかけて進捗管理すると、結構時間がかかりますもんね。それで1日が終わってしまうこともあるかもしれませんよね。それが、botを通して進捗管理ができるようになると、Face to Faceで話す必要がある時のように、上司が本当に時間をかけなきゃいけないところと住み分けができるようになっていいですね。

高橋:そうですね。やっぱり全てをbotとかチャットで行おうというわけではなく、忙しいと、みんな一人一人顔を合わせて話す時間ってなかなか取れないと思うので、チャットで報告上がってきたものの中で、様子がおかしかったり、気になるメンバーがいた時には直接話せるような使い方も出来るかなと思いますね。

日本人って感謝の気持ちとかを伝えるのが照れちゃう部分がありますよね。「banto」だと、自然と聞いて伝えてくれるんですね。例えば、「今日赤嶺さんを助けてくれた人はいますか?」という質問に答えると、<「赤嶺さんが〇〇さんに助けてもらった」と言っています>と表示されるんです。こういう風に感謝の気持ちをちゃんとチームのメンバーに伝えて、それが集計される仕組みにもなってるんです。なので、チームで働く上で、メンバーに感謝の気持ちを伝えるのはとても大事だし、そしてサポートしている人の貢献度っていうのをちゃんとみんなの前で可視化していく。そうすると、またサポートしようという気持ちが育まれていく。そういった機能も付いています。

すごい世界観のあるサービスですよね。ビジネスって結果が全てなところがあるので、目標に対して達成か未達かで貢献度が判断されがちなところを、アシストみたいな部分が可視化されるのもすごく良いなって思いました。

高橋:あとは、間にbotが入ったほうが上司も部下もお互いストレスがなくなると思っているんですね。例えば、あまり自分の仕事ぶりが調子良くない時って、上司に報告しづらいじゃないですか。報告したら、怒られるんじゃないな、とか。そうなると報告が遅れてしまったり、内容をちょっと良く見せようと上乗せしたり。そこに上司じゃない第三者であるbotが介在することで、お互いの心理的ストレスも軽減されるという。上司もね、実はあんまり言いたくないですもんね。「ちゃんと報告しろよ」とか。言っている側も嫌なんですよ。

わかります、そうなんですよね。言う辛さってありますよね。あれ結構ストレスですよね(笑)

※1【丁稚】職人・商人の家に年季奉公(ねんきぼうこう)をする少年。小僧。
※2【手代】江戸時代中期以降に、郡代・代官などの下役として農政を担当した下級役人である。 地方役人(じかたやくにん)のひとつ。
※3【OKR】OKRとは目標の設定・管理方法のひとつで、Objectives and Key Results(目標と主要な結果)の略称

部下は上司に対して30%ダウンした熱意しか返してくれない。

スタートアップにおいて、苦労したことや印象的なことってありますか?

高橋:場面ごとに苦労は変わっていくので、常に足りない情報をインプットしてアップデートしながらやっていますね。あとはマネジメントの部分ですかね。コミュニケーションの齟齬で食い違いが発生して違う方向に進んでしまったりということが起きるので、そういったことを解決することはやっぱりなかなか難しいし大変かなと思います。

結局人ですよね。例えば高橋さんのモチベーションが100だとして、他の人も100になる瞬間もあればそうじゃないこともあると思うんです。僕の例でいうと、会社を大きくするために自分はもっと前にどんどん進みたいんだけど、社員のモチベーションを下げないよう声かけをしたりと足元を固めなきゃいけないという葛藤がすごくあって。やっぱり人って難しいなと思っています。

高橋:前職のGMOには、いいところがいっぱいあるんですけど、クレド(※4)がすごい充実していて、その中に「リーダーとは」という項目があって、「部下は上司に対して30%ダウンした熱意しか返してくれない。なので、上司は120%、200%の熱意を持って部下と接しないと、部下はそれ相応にしか返してくれない」っていう言葉があって。まさにその通りだなと思ってるんです。僕もコミュニケーションにおいて歯がゆいケースってあるんですけど、それは伝える技術だったり、人としての魅力が足りないんだと真摯に受け止めて精進をしております(笑)

人間関係については常に場を設けて話し合いながらやってますね。僕も分からない時は分からないので、みんなで話し合って解決策を出していって、今楽しくやっております。

サイダスさんは勉強会も多く開催していたりと自由な雰囲気の中にもちゃんとインプットをしたり、モチベーションを高めるためにチームで遊んだりとかっていうのをしていますよね。明るい人が多いようなイメージがあります。

高橋:組織としてのビジョンがはっきりしていて、メンバーにもそれがちゃんと浸透していて、みんな同じベクトルを向けてるなぁと感じますね。勉強会をするにしても、積極的に参加したり、もしくは自主的に開いたり、読書会の読み合わせ会を土曜日に行ったりしていますね。「より豊かに働く」というビジョンにみんなが賛同してくれているので一体感はありますね。

高橋さん今日はありがとうございました。お話を聞いていると、場所にとらわれずどこにいても同じように色々なことに挑戦して楽しく生活している姿を想像しました。

※4【クレド】ラテン語で『志・約束・信条』を意味する言葉で、『企業全体の従業員が心掛けるべき信条や行動指針』のこと

高橋さんからのメッセージ
「banto」のサービス、沖縄のお客さんも増えてきておりまして、30日間無料でお使いいただけます。興味ある方は一度公式サイトを見ていただいてトライアルまで使っていただけると、とても嬉しいです。

banto https://banto.jp/
株式会社サイダス https://www.cydas.com/